ゆとりですがなにか

ドラマとは関係ないです。戦/兵器/アフリカ/新興国/ITベンチャー/医療/介護/IoTとか

2018年の振り返りと2019年の方針

2015年は、大学卒業して社会人1年目を過ごす。海外での勤務経験で、今後のベースとなる仕事のスタンスを形作れた。その後、PMI、新規事業の立ち上げに関わり、1年のほとんどの時間は会社で仕事(≒生活)していた。

2016年は、自社/買収したサービスと事業を、PMとして管掌した。マネジメントを実務としてできる場を得られた。

2017年は、前半にこれまで経験してきたことを成果として数値で出すことができた。後半では、次のフィールドへチャレンジすることができた。

 

2018年の自分を成仏させましょう。

 

1~3月:

2017年後半から進めていた案件が着地。この案件に中心メンバーとして関われたことは、今後の自身のキャリアでも特筆する経験だった。資本業務提携、JV化、新規事業の3つを同時に経験できたのは良かった。

事業のグロースに関しては、こうすれば良いという肌感があり、「実行力・推進力の精度をより上げていく」ことに注力できた。これらエグゼキューション力は、幾度も、複数のサービス・事業体・チーム(組織)で遂行していくことであげる力なんだと思う。前回よりもより高いレベルで、を繰り返して、永遠にレベルアップし続けること。

新規事業に関しては、正直何をどう考えていいかから分からず、暗中模索しかしてなかった。一緒に推進した方が物凄く優秀で、事業構築における抽象⇔具体の思考プロセスやグランドビジョンの構想、コンセプトの着想の仕方、事業論点の洗い出しをトレースさせてもらえたことは大きかった。事業企画においてのベースを実体験をもって教えてもらえたような機会になった。

 

4~10月:

この時期は、立ち上げ期のサービスのグロースと新規事業企画が主だった。ただ振り返ると、これまでの自分の働き方からすると、変化が少なかった時期かもしれない。この時期に2回大きめのリリースをしているし、売上インパクトが大きめなディールも決めたし、事業企画のために10社以上のヒアリングを重ねていたが、体感として長かったように感じる。

立ち上げ期のサービスとして、明確には売上を追わないグロースは初めてだったのもあり戸惑いを感じる部分もあった。事業としての最重要係数は明確で、そのための先行指標、そのためのサービス企画までちゃんと意味付けをして進められたことは適切だったと感じているが、その最重要係数が外部環境への依存度が高い係数だったのが良くなかった。(それをいうと当該の事業モデル全般に言えることになってしまうが。)

新規事業企画は、最終案に着地するまで4つ以上は企画したが、随分遠回りしてしまったと思う。遠回りになってしまった要因は、根本的なところでは自分への自信のなさであり、テクニカルな部分ではフィジビリティ精査の粗さが要因だったと思う。今後も必ず注意しよう、自制しようと思うことは「提供者都合に寄せにいってしまうことはしない」ということ。至極当たり前だけれど、新規事業の企画をしていると、こうであってほしい、こうであるべき、と提供者都合や自分が対峙するステイクホルダー都合でファクトを歪めて認識してしまおうとする時がある。そのようにしても、ストーリーは綺麗でも、実際マーケットから評価されないサービス・事業になってしまう。

 

11~12月:

この時期は、企画していた新規事業が具体化(実行)のフェーズに入りだし、他の案件に仕事の領域が広がりだした。2019年に繋がる変化の前段、という感じがしている。

事業企画は、ストーリーができてフィジビリティ精査ができれば、あとはエグゼキューションにおける論点を明確にしていくだけだった。一方で、エグゼキューションの領域は予想しても限界があるし、その場その場で変更していくことが大前提にあるから、主要論点を明確にして乗り越える策を考えたら、あとは「勇気」の問題だと思う。「やります」「立ち上げきります」という勇気。

 

本業以外(プライベート含め)、というところでいうと、

  • 自分の還元しているバリューと得ている経験価値のバランスは合っているか、という問いへの答え
  • (凄く久々に)深く広く関わりたいと思う人との出会いによる人間関係の揺らぎ

あたりは特筆すべき事項だったかなと思う。

 

2019年の方針は仮置きで。

 

本業に関して。

  • 0からの新規事業企画の2回転目
    事業構想における抽象⇔具体の行き来、グランドビジョンの構築、コンセプトメイキング、フィジビリティ精査の一連を、2018年にやったことは反省点が多かったから、もう1度やりきりたい。
  • 事業企画できるカバレッジの拡張
    toCtoBの両方の事業企画を今までしてきたけど、ユーザー/企業難易度や事業モデルが異なるものの事業企画をして、自分の可動域を広げたい。

上記2つは優先的にやりたい。その上で、2019年の後半には、まとまったチームで事業推進をしている状態になっていたい。

 

本業以外の仕事・キャリア・プライベートに関して。

  • 丁寧に、良い背伸びをして、価値還元をする
    週末といえども丁寧にコミットメントする。再現性を確認する上でも。
  • 本業とは別で、個人の人生で為したい理想から、こういう事業をしたい、というのを描く
    目の前の仕事やキャリアアップで一杯一杯になって、主語が自分の「私はこうしたい」がなくなっていたので、そろそろ考え出したい。
  • 読書/体験を通じて自分に「厚み」をつける
    そのために、
    1. 仕事に直接的、即時的に関わらない本を継続して読み続ける(本を全く読まない月をつくらない)。
    2. 「面白そう」と衝動的、直観的に思った体験を経験しにいく(2か月に1回はそういう経験を入れたい)。
    3. 少なくとも年1でケニア(or目的を持った渡航ハードルのある国)に行く。

    人間的な厚みがある女性になりたいなと。3年前にある方から「自分の目標に最短距離でいくのではなく、意識的な寄り道はその人の厚みになる」とフィードバックをもらったことがあるが、今はその言葉に素直に共感できる気がする。

  • 決断に逃げない。「勇気」をもって決断しないと決断することと「逃げない」決断をする。
    プライベートだと意思決定する上での考慮すべき変数が凄く脆くてファジーで抽象的で変動的だから、プライベート(特に自分以外の他者が関わること)で何かを決断するのが苦手で、えいやっと決断してしまう時があるのだが、2019年は決断に逃げないようにしたい。

2018年は、足場固め、という感じで淡々と呼吸整えて過ごしていた感じがしたけれど、2019年は、緩急がありそうな1年になりそうだし、意図的に呼吸を乱すように、自分に圧をかけて過ごしていきたいと思う。

 

「事業のグランドビジョンを描く」とは

事業のグランドビジョンを明確化・言語化することの重要性を痛感している今日この頃。

「何でこの事業をやるんだっけ?」というグランドビジョンは将来の指針と判断軸になるので、なんとなく自分の頭にあるのではなく、明確化・言語化は必要だと思う。

※いつも頭においておきやすいようにショートセンテンスにしたら変な英語と日本語文になった。

  1. Why この市場?
    =市場選定の理由
  2. What is KSF(Key Success Factor)in この市場?
    =市場勝者となるためのKSF
  3. What can we get by KSFの掌握?
    =KSFの掌握によって得るもの
  4. What does it(KSFの掌握で得るもの) mean for 自社?
    =KSFの掌握で得たものの自社にとっての意義

マネジメントについて記録しておきたいことを残す

◆「マネジメントを行う」とは

  • 広報(社内外)
    自分の言葉を向けている相手が、そのPJTや事業のゴール状態を、イメージできるようにする。
    言葉での例えでは、人によってイメージするものが変わってしまうから、イメージできるようにするために、同じものを見・聞けるようにした方がいい。

  • キャスティング
    誰にどんな役割を任せるのかきめる。
    そのために、誰にどんな強みがあるのか、どのような期待をして良いのかを見極める。

  • コーチング・フィードバック
    キャスティングしたひとりひとりがモチベーションを保てるようなコーチング、フィードバックを行う。
    コーチングするときは、相手をモチベートする言葉を記録していく、相手の心に火をつける語彙を増やしていく。

    フィードバックをするときは、プラスのイメージを持つ、ポジティブイメージを持つ言葉でフィードバックする。(このままだとできないよね、ではなく、これをどう達成していこうか?と聞く。)

    このPJTはいついつまでにこうしなきゃいけないんだけど、この役割のあなたはどう進めていこうか?と聞いて、相手の言葉で決めるようにする。

組織とチーム

◆組織とチームの違い

*まだ腹落ちしきれてないので追って書く*

 

 ◆理想のチーム

自分が理想だな、と感じるチームが満たしている事項は、

  • 主語が「ユーザー」か「私たちの事業」
  • 情報の非対称性が小さい
  • 認知の歪みが少ない
  • 心理的安全性が高い
  • 課題・不安に向き合い不確実性の削減が効率的にできている
  • ゴール認識のレベルが高い
  • お互いが重なりあう

である。

全員が「コト」に向いていて、点ではなく面で仕事をしていると、上記のような状況になるのでは、と思う。

「コト」に向くというのはそのままの意味だが、点ではなく面で仕事をする、というのは結構重視している。

点は、その人個人の仕事の今しか見ていないという状態で、面とは、個人の今だけではなく先のことも考え、かつ、自分だけではなく全方向のチームメンバーのことやそのメンバーの先のことも見て仕事をする、ということだ。

ほとんどの人間として「良い」人は、基本的に自分の先もチームの全方向も考えて仕事をしたいと考えていると思う。それをちゃんとビジネスパーソンとして発揮できる環境をチームには用意したいなと思う。

 

◆理想の組織

*追って書く*

 

◆組織・チームにおける「言葉」

人間の集団である組織やチームにおいて、人と人を媒介する「言葉」について考えてることを書いてみる。

 

リーダーでなくとも、組織やチームの一員でも、誰かに伝えるために発した言葉の成功定義は、「自分の言葉で相手の行動を変えた」という状態を作ることである。

人間は、どうしてもWhat(何を言ったか)だけでなく、Who(誰が言ったか)に少なからず影響をされてしまう。そこには、感情が入る。
※WhoではなくWhatで聴いていたいと、個人的には意識しているけれど。

上記の成功状態を作るために、

  1. 聴く
  2. 腹に落ちる
  3. 行動に反映する

のステップが必要だ。

 

まず相手に聴いてもらうには、相手との関係性の中で、

  • Humility(謙虚)
  • Respect(敬意)
  • Trust(信頼)

のHRTが相互にある必要がある。

よく「信頼残高」という言葉があるが、これらのHRTは相手と関わりを持った日からの積み重ねだ。

そしてこのHRTは日常の行動・言葉の節々から、これらの存在有無が判断される。

自分では全くそんな気はなかったが「一歩先から見ていて現場は現場でよろしくと思っているのでは感じてしまう」と言われたことがあった。メンバーから見た時に、私が発する言葉から「他人事感」を感じたのだと思う。

また、実際に自分も手伝っている会社の代表の言葉を聞いていて「君の会社でしょ、他人事みたいに言っていて大丈夫かな」と思うこともある。

これらのHRTは人間の感情ど真ん中だからこそ、アプローチの型はないし、日々の自身の言動の積み重ねで構築していくものだなと思う。

ただ、HRTを構築するTipsとして、

  • 情報をオープンにして伝えること
  • 必ず意見を求めること
  • その意見を組み込む・組み込まないを判断軸を明確にしそこで伝える

はTipsとしてあると考えている。

 

次の腹落ちには、「相手が自分の言葉で決める」ことが必要だと思う。

最終意思決定はリーダーやマネージャーの仕事と責任ではあるが、メンバーが「こうします」と自身の言葉で話せるまでになる状態を作ること。

そのためのTipsとして、

  • このカテゴリをあなたに期待している、という期待の明確化

はあると考えている。

 

最後の行動への反映には、「具体的なアクション方法の提案」が必要だと思っている。
これもあくまでの、こちらからの提案を話し、「こうします」とメンバーが話す状態を作る。

このアクション方法の提案をするために、自分が一番考え抜いていないといけなかったりするし、メンバーそれぞれの能力によって必要な粒度が変わってくる。

 

HRTは日々の言葉を意識するとして、メンバーの言葉に変換してもらうこと、具体的なアクション方法の提案はまだまだ出来ていないと感じるので、1回1回丁寧に行って、成功体験を積み上げていくしかない。

 

▼参照

エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング

エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング

 
 

完全に雑記

雑記です。まとまりはありません。

 

昨年の今日までのQは、見ていたサービスのオーガニックが伸びて絶好調の時代。

ただ顧客の予算上限とこれまでのQショート分の負債があって、予算は厳しいのは変わりなく。

そして、絶好調の次の週くらいにアップデートでセッションがガタ落ちする。そこから方針を変えて…と大変だったな…。

上手くいっている時のチームはまとまりがあり、皆がこの伸びは自分のおかげだと自負してサービスを自分事化できる。

でも上手くいっていない時は、どうするんだ、どうするつもりなんだと解決策を外(マネジメント層)に求める、そして組織が云々と組織課題にもっていきがちになる。

※こういうチームはそもそも良くなくて、調子いい時は事業の伸びに問題が隠れていただけなんだが。

※こういう人たちばかりではない。いつ何時も事業を自分事化している人ももちろんいる。

そのとき、PLみて、事業の係数分解して、解像度上げて、係数見つけて、施策打って、チームを引っ張って判断して、は、できていたし、正解かわからないけど決断をして発信をして推進していたから、このような意思決定+推進は他の事業でもできるだろうと思っているが、それでもまだ正解がない中、意思決定をすることに身構えてしまう。

ある種、既に数値が出だしているサービスは、目指すべきものとしての数値という明確な指標がある。

その指標があったからできたのかいうと、別にそういうわけではないはずだ。

身構えてしまうのは、1発で、正解を、完璧を出そうとしすぎているからなのかもしれない。意思決定しきれていないのかもしれない。無論、考えぬいた現時点の完璧ではあるべきなのは変わりないが。

 

今は何ができていない、と感じるのか?もしくは何ができていると感じるのか?

意思決定はできている、ただそれのレイヤーが施策レベルなのだ。事業の方向性レベルで意思決定するべきフェーズなのに。

 

やっぱり、当たり前だけど、サービスが既にあるとないは全く違う。

サービスがない時点では、

『なにを為したいのか』

この1言に尽きる。

でも、この答えが、「こういう世界にしたい」とかいう世界観でも、「面白い」とかいう主観でも、「ここが伸びるから」とかいう事業としての目の付け所でもいいと思う。

それでいうと。今自分に『なにを為したいのか』と問うとどういう回答になるのか。

つくろうとしているものについては、今覇者がいないマーケットにおいて、目の付け所はいい。

かつ、既存のアセットの活用が可能。

焦点をあてる課題は、顧客にとって無くならない課題。

良いものが生き残るエコシステムをつくれるとしたら。

成長ストーリーはなんなのか。 

 

個人として、まっさらな個人としてはどうなのだろうか。

今、目標の上にきちんといるのだろうか。

2017年の新天地でのお話

9月~11月

新天地での事業活動を開始。

「早く結果を出したい」と追い込んで働いた。任されるものなら全て、任されなくても仕事を生み出していって、働いた。

新しい機会、新しい事業に入ったら、まずは「量質転換」を起こすこと、焦らず近視眼的にならずに、ある種淡々と吸収し積み上げていくことを意識して動いた。

  • やったこと
    - トップ営業
     - 営業の基本は一緒で変わらない
    - 提携
     - 特徴のある/目立つ事業を1つ持っていると強い
     - スタートアップは時流に乗った事業を1つ持っていると注目度が高くなり、他社との事業機会を増やすことができる
    - 0もなにもないところからの事業・提携案企画、提案
     - 市場/ステイクホルダーの認識合わせ→全体像/結論→各論へ
     - 現状のFactとそのFactへの着眼点(切り口)、その着眼点が切れ味がある(良い)理由を明示(持つ
     - グランドビジョンを持つ(事業が目指す先)
    - 事業化前ヒアリング

事業企画において、「バイアスを壊す」実感値(経験)を得たことが大きな収穫だった。

あるものに対するバイアスを見つけて壊すためには、まず「視覚化」、「構造化」しなければならないというのが濱口氏の主張だ。

4つのアイデアを、A、Bという特性に分けて並べ替えて見せる。そうすると、それぞれのアイデアの特徴が明らかになり、AとBは二律背反か、つながっているか、Aを取るとBが取れなくて、Bを取るとAは取れないといった関係性が見えてくる。

四象限マトリクス、相関グラフetcの「切り口」をまず描いてみる癖を付ける事ができた。

「モデルを組んで壊す」→「アイデアを作る」→「また壊す」という僕のアイデア創出プロセスでは、論理的な切り口をふんだんに作ってゆくので、「ふつうはこう考えるけれども、これはここが違うからおもしろい」、「業界はこちらを向いているが、ユーザーは逆にこちらの方向をベネフィットと感じるはずだ」など、アイデアの強さを証明するためのいわば論理の残骸がたくさん残ります。だからアイデアに必ず理由がつけられる。数字はなくても、アイデアを論理的な構造の中に入れて示すことができます

コンセプトとは、「アイデア」と「切り口」を合わせたものです。すなわち具体と抽象のセットで、ダイアグラムなどの構造化された切り口(モデル)の上にアイデアを位置付けたものをコンセプトとして取り扱います。

1つ目が「ファンクショナルプロトタイプ」。実現可能かどうか、機能を実証するものです。見た目はどうでもよいので動けばいいので、フランケンシュタインプロトとも呼んでいます。

2つ目は「デザインプロトタイプ」。これは動かなくてよいのですが、ユーザーが製品の重さや形、UI画像などのイメージをリアルに感じられるものです。

3つ目が「コンテクスチュアルプロトタイプ」。これは「こんな体験ができる」といった文脈的なもので、前回の記事で説明したように、製品やサービスを使う状況設定ができ、製品やサービスの中核にある「ストーリー、意味性」を感じさせるものがより望ましいといえます。例としてはフェイクのカタログやプロモーションビデオなどがあります。

濱口秀司氏が語る「社内説得」のジレンマと解 | Biz/Zine(ビズジン)

英国発の技術系ベンチャーHealxの事業が意義深い。

最近知った、Healxという英国ケンブリッジ発の技術系ベンチャーが行っているヘルスケア領域の事業に感銘を受けたので、調べてみました。

1. Healxとは

Healxは、薬のリパーパシング(既に臨床で使われている薬から別の疾患に有効な薬効を見つけ出し再開発すること/ドラッグ・リポジショニング)によって難病患者の治療が可能になることから、治療薬・治験データと個人のゲノムデータを結びつけ、治療薬と患者のマッチングをしている英国の企業です。

Our mission is to transform the lives of rare disease patients by intelligently matching drug treatments.
※Healx websiteより

2014年に設立され、英国のケンブリッジをベースに事業を行っているようです。

2015年に、Life Science Business of the Yearを受賞、
2016年に、Cambridge Graduate Startup of the Yearを受賞、
2017年には、英国Tällt Ventures主催の世界に大きな影響を与える可能性のある企業DISRUPT100に選出されていました。

disrupt100.com

※ちなみに日本からはfreeeが、ケニアからはSANIVATION(簡易設置型のトイレを提供)、FUZU(人材サービス)が、タンザニアからはJamii(低所得者向けの健康保険)、ウガンダからはMATIBABU(血液採取なくマラリア検査ができるキット開発)、ナイジェリアからはMpedigree(偽薬検査)が選出されていました。100社中17社がヘルスケア領域だそうですが、17社中4社はアフリカの企業です。

資金調達は過去3回行っているようでした。

2015年 4月 £300k($360,000/3900万円程) シード
2016年 3月 調達額不明 
2016年10月 $1.5million(1億5300万円程) シリーズA
※crunchbaseより

直近の調達でのリードインベスターAmadeus Capital Partnersのパートナー兼CFO、Hermann Hauser氏は、"With huge pressure on R&D budgets, drug repositioning will be essential in the fight against rare diseases. With this investment, Healx will take up a leadership position in the drug repurposing sector, expected to be worth over $31 billion by 2020.”と期待を寄せています。

事実、Healxのプロダクトによって薬のリパーパシングの研究は6ヶ月以内に収まり、これは従来の文献ベースで行う研究と比べものにならない早さのようです。

また、治療薬の開発成功率も20%まで上がり、これは通常の新薬開発における成功率0.00003%(3万分の1)とも比にならない高さのようです。
※どの治療薬を開発するかによって成功率は異なるので一概には比較できませんが、既に使用されている薬から開発するので成功確度はゼロベースより高いことは確実かと思われます。

一方、そもそもの疾患対象者が少ないため、再開発された治療薬の治験実施へのハードルの高さは懸念されているようです。

Healxのプロダクトでキーになるのは、難病の疾病情報や治療法、医薬品の有効性を記録した治験DB、薬の有効性や不適合反応に関するデータです。

特に製薬会社から治験データを提供してもらうのには苦労をしたらしいですが(製薬会社は競合他社に治験データが漏れるのではと懸念した)、2014年に英国の国民保険サービス(NHS)が製薬会社に対して、患者に高額治療の効果が認められなかった場合、その費用をNHSに払い戻すよう製薬企業に請求できるようになったことが追い風になったようです。Healxを使えば、製薬会社が治療の失敗(治療薬の無効果)を高い確率で予測でき、年間数百万ポンドの払い戻しによる損失額を減らすことができると認識されました。

2. Healxが提供している価値

世界には正式な患者団体が存在する難病が7000種類(対象患者数3億5000万人)あり、そのうち95%は効果が期待できる治療法がないそうです。
Healxはそのうち1000種類の難病を対象にしています。

ですが、難病は疾患対象者が少ない(=処方数も少ない)ため1治療薬あたりの市場規模も小さく、その価格も研究開発費も膨大になってしまっています。

例:
希少難病CAPS(国内患者数が約50人の難病)の注射薬の価格 130万円/本
http://www.vho-net.org/-CAPS%E6%82%A3%E8%80%85%E3%83%BB%E5%AE%B6%E6%97%8F%E3%81%AE%E4%BC%9A.html
シスプラチン(抗がん剤)の価格 10万円強(ガン治療薬も十分金額が大きく投薬を諦める方もいるそうです。) http://www.ganchiryohi.com/kouganzai/womb.html

そのような難病の治療薬を開発する際に、既に患者数のある疾病で使用されている薬をリパーパシングすることで大幅に研究開発費・期間をショートカットし、今まで投薬できなかった難病に対して治療薬を提供できるようにすることは、大変大きな社会的意義を持つと思います。

また、Healxは、単に臨床で使用されている薬の薬効と難病の疾患データ、治験データを使ってマッチングしているだけではなく、ゲノムデータと合わせることで個別化医療(個人の生命情報とその症状に合った治療薬とマッチングする)をも実現しようとしています。

難病だけでなく、他の疾病でも個々人の遺伝子特性によって有効性が変わるそうです。個々人に対して、その特性から治療薬を選定していくことができるようになれば、1治療薬あたりの有効度合いを最大化できる=治療の効率化ができるようになります。

事実、治療薬が特定の患者にどのくらいの有効性を示すかをも予測できるようになったそうです。有効性が予測できるようになることで、臨床医はどの治療薬を使うべきかについて、経験則だけでなく個々人のデータに基づいて判断することができるようになります。

3. 実際のケーススタディ

CDKL5 syndrome
https://healx.io/case-studies/

Fragile-X
https://www.fraxa.org/university-cambridge-startup-healx-rapidly-identifying-existing-drugs-help-fragile-x-patients/

4. まとめ

■治療薬を得られるか否かで人の命に大きなインパクトをうむ難病というカテゴリに対して価値を提供していること

■今まで偶発的な発見や文献による研究によって活用されてきた薬のリパーパシングをデータによってコスト・期間ともにショートカットできるようにしたこと

■薬効・有効性データ・治験データと個々人のゲノムデータから、その個人に最適な治療薬を提供することで1治療あたりの効果最大化が実現する可能性があること

個人的には上記3点に大変感動して、これは大変意義深い素敵な企業だと沸きました。

難病ってニッチのニッチだよね、ではなく、特に最後の点に関して可能性を感じました。1治療あたりの効果最大化、が医療費削減等言われている日本でも本質的なポイントなのではと思います。